鹿児島県で林業の外国人労働者を受け入れるには?2027年スタートの「育成就労制度」を見据えて今すべき準備を解説

鹿児島県の林業では、深刻な人手不足が続いています。 高齢化の進行や若手人材の確保難により「この先も事業を続けられるのだろうか」と不安を感じている林業事業者も多いのではないでしょうか。

林業の基盤を維持し持続的な発展を図るためには、林業について基本的な知識・技能を有し、現場の状況に応じて作業手順を自ら考え、育林や素材生産等の作業を行うことができる外国人材の育成・確保が必要不可欠です。

林業における人手不足と外国人受け入れの現状

高齢化と若手労働者不足に直面する林業界

鹿児島県は広大な森林面積を有しており、素材生産業などの林業が盛んな地域ですが、現在の現場は深刻な労働力不足に直面しています。なぜなら地元の若者の採用が難しく、作業員の高齢化が急速に進んでいるためです。

外国人労働者を雇用することで安定した労働力を確保することは、地域の山林を守るためにも極めて重要な課題です。

国内における新規学卒者の第一次産業就業者数

新規就職者数うち第一次産業への就職者数割合
2023年708,763 人3,640人0.51%
2024年705,642人3,460人0.49%

資料:文部科学省「学校基本調査」  https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm
注:)「第一次産業」とは、産業分類(大分類)の「農業、林業」及び「漁業」の合計

文部科学省が公表するデータによると、2024年における第一次産業 新規学卒者数は全体の新規就職者のわずか0.49%と極端に少ないことが見てとれ、近年の深刻な人手不足に伴い、外国人労働者を現場に迎える動きが全国的に広がっていることが分かります。

広大な森林面積を有する鹿児島県で労働者を確保するために「育成就労制度」を活用してみませんか。

2027年にスタートする「育成就労制度」とは

技能実習制度と育成就労制度の目的の違い

育成就労制度は、3年間の就労を通じて特定技能1号水準の技能を有する人材を育成し人材を確保する制度で、現行の技能実習制度については、制度目的と実態のかい離や外国人の権利保護等の観点からの課題が指摘されてきました。

また近年、人手不足が深刻化している一方で国際的な人材獲得競争も激化しているため、そのような背景を踏まえ、人材育成と人材確保を目的とする育成就労制度が創設されました。

育成就労制度と特定技能制度に連続性を持たせることで、外国人が日本で就労しながらキャリアアップできる分かりやすい制度を構築し、長期にわたり日本の産業を支える人材を確保することを目的としています。

林業分野における育成就労の業務区分と育成目的

育成就労制度における林業では、主たる技能として、育林・素材生産が設定される見込みです。 その上で、育成就労計画に沿って、3年間の育成就労期間を通じて主たる技能を修得するために必要な業務に一定時間計画的に従事させることにより、林業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を有する人材を育成する目的です。

林業の育成就労実施者(企業)に対して特に課す条件

林業特有の事情に鑑みて講じる措置等として以下の条件があります。

① 育成就労1年経過時までに46時間以上、また育成就労終了時までに追加で97 時間以上を標準とする育林・素材生産作業に関する基礎的な知識を習得させる講習(座学、見学及び実地訓練を含む。)を実施し、その習熟度について、チェックリストにより確認すること。

※転籍により受け入れた育成就労外国人については、転籍前の育成就労実施者が実施した講習やチェックリストによる確認は省略することができる。

 ② 育成就労実施者は、次のいずれかであること。 

  • ⅰ 林業労働力の確保の促進に関する法律第5条第1項の認定を受けている者
  • ⅱ 森林経営管理法(平成30年法律第35号)第36条第2項の規定により公表されている民間事業者
  • ⅲ 森林経営管理法第44条第2項の規定により公表されている民間事業者

③ 育成就労外国人が作業に従事する現場においては、緊急時における連絡体制 が整備されており、伐木作業に従事する現場においては、緊急時に指示が出せる範囲内に育成就労指導員を配置すること。

④ 育成就労外国人の受入れ数は、育成就労外国人の総数が常勤職員の総数を超えないこと。

⑤ 育成就労外国人の講習習熟度の確認を行ったチェックリストについて、事業所において備え置くこと。

⑥ 育成就労実施者は、育成就労の協議会において協議が調った措置を講じること。

⑦ 育成就労の協議会が行う情報の提供、意見の聴取、調査その他の活動に対し、必要な協力を行うこと。

⑧ 農林水産省が行う調査、指導その他の活動に対し、必要な協力を行うこと。

育成就労指導員は1級又は2級の林業技能士等であること。

※令和 10 年度末までは経過措置として、育林・素材生産作業について7年以上の実務経験を有する者又はフォレストリーダー登録者も含めることができる。

育成就労制度開始と共に受け入れできるために今できる対策

対策1:法改正・新制度に強い監理支援機関への早期相談

2027年の新制度開始と同時にスムーズな受け入れを行うためには、2026年のうちから準備を始める必要があります。新制度への移行に伴い、現在の監理団体は審査を経て【監理支援機関】と呼ばれる新しい組織へと変わる仕組みです。法改正の最新情報に精通し、確実な実務サポートを提供できる監理支援機関へ、今のうちから相談することが賢明な判断といえます。

対策2:外国人労働者を受け入れるための社内環境の整備

人材を迎える前に、受け入れ企業側も社内の体制を整えておかねばなりません。

以下の準備を2026年中に進めておくとスムーズです。

  • 安全指導マニュアルの外国語化
  • 就業規則や雇用条件の見直し
  • 快適に過ごせる受け入れ寮の確保
  • 現場の日本人従業員に対し、異文化理解に関する教育の実施

新制度(育成就労)で最も懸念される「転籍リスク」と「安全管理」の解決策

時間とコストをかけて育てた林業人材を流出させないための定着支援

新しい育成就労制度では、従来の技能実習とは異なり、一定の要件(日本語能力や技能試験の合格など)を満たすことで本人の希望による転籍(転職)が認められます。そのため、せっかく時間とコストをかけて育てた人材が都会の他社へ流出してしまうのではないかという不安が生じるのは当然です。

転籍(転職)を防ぐために、企業側には「ここで長く働きたい」と思ってもらえる環境づくりが求められます。

よくあるご質問

2027年を待たずに2026年の今から行動するメリットは何ですか?

現行の技能実習制度では実習生の受け入れに8ヶ月~10ヶ月ほど時間を要し、育成就労制度も同様の時間がかかる見込みです。

また新制度がスタートする直前は、多くの企業からの申請が重なり手続きが混雑することが予想されますので、2026年の今のうちから監理支援機関(監理団体)への相談や社内環境の整備を進めることを強くお勧めします。

新制度の開始と同時に最速で優秀な人材を確保できるため、他社に遅れをとらないことが大きなメリットとなります。

育成就労制度になると他社や都会への転籍(転職)が自由になってしまうのでしょうか?

完全に自由となるわけではありません。転籍を行うには、同一の企業で一定期間(林業は1年)就労していること、日本語能力や技能の試験に合格していることなどの厳しい要件が設定されます。

アジアアグリ協同組合は制度に則り、定期的な訪問・監査を実施しており、日々の訪問で外国人との関係性を良好に構築していくことで、突然の転籍を防ぐよう努めています。

まとめ:育成就労制度での受け入れに向けた鹿児島でのパートナー選び

2027年に始まる育成就労制度は、鹿児島の林業界が課題とする人手不足の課題を解決する大きなチャンスです。今から新制度への布石を打つことが未来の成功を左右します。

アジアアグリ協同組合九州支部では、林業分野に特化した特設ページを開設し、制度解説や受け入れ実務、安全管理のポイントなど、有益な情報を発信しています。

法改正に強く、地域に根ざしたサポートを行う、わたしたち「アジアアグリ協同組合九州支部」とぜひ一緒に準備を進めていきましょう。